『第二期ウルトラの謎?コーナー』読者参加も可

2002年7月12日加筆 加筆箇所
2002年6月15日加筆
 加筆箇所
2001年5月15日加筆訂正
 訂正箇所

このコーナーは、第二期ウルトラにまつわる色々な疑問に、管理者ヤフールが、持てる知識と洞察力の全てを使って答えていく、というコーナーです。


Q1,『ウルトラマンタロウ』40話『ウルトラ兄弟を超えてゆけ!』でタロウは、なぜそれまでウルトラ兄弟を苦戦させた怪獣を倒せたのでしょうか。

A,初期ウルトラでは、初戦で強かった敵が後に再び対決すると案外大したことなかった、ということがしばしばありました。ゴモラ、ガッツ星人などがその代表でしょうか。

これが第二期ウルトラシリーズになると、兄弟が助けに来て新兵器をもらったとか、特訓の成果が現れたとかで強敵のパワーを制作者の方で意図的にレベルダウンさせることなく、勝利
させることが可能となりました。これはベムスター、バードン、レオの初期などが代表例でしょう。しかし、第二期ウルトラでも、このタイラントは珍しく新兵器や特訓なしで倒されるので、それを疑問視する意見もあります。

しかし、タロウはタイラントを倒す時にタイラントのもつバラバのムチを逆用してました。
制作者側は兄弟を倒した怪獣をなぜタロウが1人で倒せるのかということのアンサーを、このことで表そうとしていたのかもしれません。強い怪獣の強い武器を逆用すれば、確かにウルトラマン達の実力以上の敵が倒せても不思議ではない…?。
A,ヤフール)

A,その2ウルトラ5兄弟が苦戦したタロウがなぜ、タイラントに勝てたのかというこ
とについての私なりの解釈をしました。
 5兄弟はタイラントの背負っている怨念に負けたのだと考えています。タイラント
のパーツになっている怪獣には悲劇を背負っているものも多かったのです。5兄弟は
そうした怪獣達の怨念に負けて本来の力を発揮できなかったのではないでしょうか。
さらに、新マンとエースについては、宇宙空間では郷と北斗が持っている人間として
の意識が前面に出なくなってしまうためかえって力が落ちてしまうと思われます。
新マンとエースが自分と一体化する人間を必要としたのは真の勇気と正義感を持った
人間の心がないと力を発揮できないためと考えられます。
V3ホッパーさんより投稿いただきました。2002年6/15追加)

A,その3タイラントの件につきまして、私なりの新たな仮説を発表させて頂きたいと思います。それは、5兄弟はタイラントの外見に威圧され、精神的な面で負けてしまったのでは?という推測です。

まず、レッドキングです。
レッドキングは怪獣図鑑にはやたら「強い」と書かれている割には、初代・二代目共にあっさり倒されています。しかし、どちらもチャンドラーやドラコ等、他の怪獣と闘った後にウルトラマンが勝つという流れです。ウルトラマンはレッドキングの強さを見抜き、なるべく疲れたところで闘おうと変身を先延ばしにしたのではないでしょうか。そして思慮深い彼は「いきなりあたっていたら勝てる相手ではなかった」と、ホッとすると同時に「もし相手が元気な時に闘っていたら・・・」と恐怖心が植え付けられたに違いありません。

次に、イカルス星人です。
イカルス星人は強敵だった訳ではありませんが、セブンは誤ってカプセル怪獣を一匹失っています。レオとの関係を見ても分かる通り、表面的には厳しくとも弟子や子分に激しい愛を注ぐセブンは、うかつな自分を責め続けたに違いありません。あの耳を見て思い出し、再び懺悔の念に捕らわれてしまったのでしょう。

そして、ベムスターにシーゴラス。
ベムスターは言うまでもなく、新マンの対戦相手の中では最強怪獣とも噂される猛者ですが、それ以上にシーゴラス!身を呈して優しくしてやったにも拘わらず、恨みを持った怪獣の(文字通り)顔として迫ってくるではありませんか。これはショックです。まぁ、後の戦闘シミュレーション用シーゴラス(?)の方はどうだか分かりませんが。

極めつけはバラバ、ハンザギラン、キングクラブ。
「なんで俺だけこんなに恨まれてるんだよー」とのエースの嘆きが聞こえてきそうです。強敵であろうがなかろうが一気に脱力することでしょう。しかも痛そうなトゲトゲ系ばかりです。闘う前に負けたも同然です。

ゾフィーはゾフィーで、兄弟達の戦歴を知り尽くしていますから、こんなトラウマ怪獣を目の当たりにしたら、彼らのことが心配で闘いに集中できません。

そこへ行くと、タロウは世間知らずで無鉄砲な末っ子ですから、「恨みなんて、ボクには関係ないやーい!」と大暴れです。しかもタイラントは地球に来るまでに、戦闘はもちろんのこと、とてつもない速さで宇宙を飛んできたのですから、相当に体力を消耗しています。
よっしーさんより投稿いただきました。2002年7/12追加)

Q2,『ウルトラマンレオ』1話のときは、ゲンは地球に来て一ヶ月と言っているのに、48話では地球に来てから3年立っていたことになっているのが謎ですが…。
A,まあ、これはミスはミスなんですけど、辰巳出版の『心にウルトラマンレオ』では、1話から48話の間に3年経過しているという解釈をしています。が、あえてここでは、別の解釈をしてみます。

自分の解釈では、レオはL77星が全滅する前から、度々地球に来ていた、というものです。
1話のゲンの台詞は「1ヶ月前まで、L77星があった」という台詞と「L77星が全滅してから、地球で生きようと決心した」という台詞があり、この「地球で生きようと決心した」という台詞は、1ヶ月前に地球に初めて来た、という意味以外にも解釈できるのでは、と思うのです。
「地球で生きようと決心した」というのは、「地球でずっと暮らしていこうと決心した」という意味で、地球にはそれ以前から度々来ていたのかも知れません。
これと似たようなことは『特急指令ソルブレイン』(テレビ朝日)という特撮ものでもあって、初期作品は未来社会の設定なのが、後半年号が現代になっているということがありました(笑)。
A,ヤフール)

Q3,『レオ』の28話『帰ってきたひげ船長!』のラストで、なぜヒゲ船長は老人にされたのでしょうか。
A,パラダイ星人たちは劇中で「人間は悪魔」「人間は危険」と言っていることから、彼等はヒゲ船長すら、内心は全面的に信用していなかったと考えられます。劇中でヒゲ船長を御馳走したりするのは、あくまで子供のパラダイ星人を助けてもらったお礼でしかなかったのでしょう。
 吸ってはいけない黄金のパイプを船長にプレゼントしたのは、人間が戒律というものをどれだけ守れるかということを星人は試したかったのだと思われます。罪のないものを偏見で虐待してはいけない、というのは社会における一つの戒律です。よって子供のパラダイ星人を虐めた村びとは、そういう戒律を守れな浅ましい人間ということになるでしょう。
 黄金のパイプを吸ってはいけないという戒律を破って、あっさり吸ってしまうヒゲ船長は、虐められた子供のパラダイ星人を助けたりしていたものの、やはり村びと達同様の浅ましさを心の奥に秘めているということになります。
しかし、子供を数人の村びとに虐められただけで、人間そのものを悪魔と決めつけ、村を無差別に破壊してしまうパラダイ星人の行為は、やはり過剰な正義感と言うべきです。彼等も独善的なヤバイ思想の連中であり問題があります。星人の子どもへの殺害は未遂で終わったのに対し、キングパラダイの破壊はかなりの人が死んでいると思われますし、ただでさえ劇中では、物語のクライマックス直前で、星人を虐めた村びとの一人は「なにもかも俺達が悪かった」と謝っているのです。そのことを確めもせず、村すべてを破壊しようとするのは偽善でしょう。
A,ヤフール)

補足(2001年4月30日)
そもそも、もとの民話『浦島太郎』でも、なぜ浦島は老人になるのかは謎です。
これについて、最近筆者は、こんな説を聞きました。

時間と記憶の関係を表した『エビングハウスの忘却曲線』というものがあるそうです。
それによると、1日経つと、記憶の半分は忘れてしまうのだそうです。
つまり『思い出は、時と共に色あせる』のだそうです。

浦島が竜宮城での出来事をどんなに楽しかったと感じていたとしても、
その後何十年も経って、死ぬ直前になれば、ほとんど忘れ去られて穴だらけの記憶に
なってしまう。なので乙姫は、浦島を玉手箱で老化させることで、
竜宮城での思い出を忘れないまま死ねるようにした、というのです。
では、どうして乙姫は玉手箱を「開けちゃダメ」といったのか?という問題ですが、
これは人間の心にある「反発心理」を応用して開けたくさせるためだった、とのことです。

先のパラダイ星人も、ヒゲ船長を実験台にして人間の「反発心理」についての実験を行った、
というのが真相なのでしょうか? 
たしかに「反発心理」というのは、人間が確信犯で社会の戒律を破ってしまうことの原因になる心理ですからねえ。

Q4,『レオ』のモロボシ・ダンはなぜ『セブン』の時よりきつい性格になったのか

A,『レオ』を含めた第二期ウルトラ(特に『新マン』と『レオ』)の主人公は、確信犯でトラブルを起こしてしまったり、自身の心の弱さに苦悩するといったヒーローの「影」の部分が描かれ、初期ウルトラの主人公たちのような単なる「真面目なイイ人」ではない、陰影をもったキャラクターとして描かれた。こういう点は、第二期ウルトラが製作された70年代という時代のもつ暗さを象徴するようでもあった。

こういった第二期ウルトラの作品カラーに合わせてモロボシ・ダンも、より陰影のあるキャラクターに再設定する必要があったのだろう。『レオ』のモロボシ・ダンが「きつい」キャラ、という以前に「暗い」キャラになっていることに注目して欲しい。

『レオ』のダンは変身不能になっていることに自分自身でいらだちを覚えるという描写が劇中で何度となく描かれた。こういった状況の中では暗くならざるを得なかったというのもあるし、年令が画面上の印象では40才前後であることもあって、『セブン』の時より歳をとったことで性格が変化したということもあるのかもしれない。

神奈川県立保険福祉大学の教授である清水弘司(文学博士)の書いた『図解雑学 性格心理学』(ナツメ社)によると心理学では「性格は生涯発達していくもの」と考え、人間の性格は年齢や経験によってかわっていくと考えるという。この本ではユングやアメリカの精神分析医エリクソンが「性格は生涯発達する」という「ライフサイクル論」という論を提唱したことが紹介されています(146ページ、148ページ)。また特異な体験によっ性格が病的に変化することもあるそうで、これを「性格の不適応的な変化」というそうです(160ぺージおよび161ページの図表)「性格の不適応的な変化」の例として、ナチスの強制収容所の人々は、そこでの過酷な生活が日常的になると、ささいなことで興奮し神経過敏になるなどの慢性的反応を示すようになったことが紹介されてます(164ページ)。

『スターウォーズ・エピソード1』でのダースベイダーの子供時代も大人の時と性格が正反対ということがある。なので、同一人物でも年令によって性格に変化があっても、それが作品のドラマを活性化させていればいいのではないだろうか。

あと、『レオ』のダンは、透視能力をつかったり、持ち前の宇宙についての知識を使って相手の正体を見抜いたりしており、これらの点は、意外と『セブン』の時のダンと共通点がある点を付け加えておく。

まあ、「スポコンもののコーチは厳しいのがお約束だから」というのも理由のひとつでしょうが(笑)。



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